【考察】ビッグマムとカイドウの関係性~2人の四皇の正体とモデルとは?

2019年4月22日

新世界の覇者、四皇”ビッグマム”シャーロット・リンリンと、”最強の生物”百獣のカイドウ。
ワンピース907話にて、このヤバ過ぎる二人の間に、何か因縁めいた関係性があることが明らかになりました。

電々虫で会話するビッグ・マムとカイドウ
出典:ワンピース コミック 第90巻より

どうやら、この2人の4皇は昔馴染みの間柄であるようで、カイドウ側がビッグマムに「でかい借り」がある様子。
その「借り」を笠に着る形で、ビッグマムはカイドウが麦わらの一味に手を下すことを牽制しています。

今後の二人とルフィ達の絡み方・物語の展開が気になるところです。
さらに、それにも増して大きな疑問が「ビッグマムとカイドウは過去にどういった因縁があったのか?」という点ですよね。

そこで今回は、この2人が昔にどういった間柄にあったのかを、とある”少年ジャンプの名作漫画”をヒントに推察。
最終的には、ビッグマムとカイドウの正体にも迫る、壮大な内容でお届けしていきたいと思います…!

それでは、まいりましょう!

ビッグマムとカイドウに共通する「異常な肉体強度の描写」

ビッグマムとカイドウの共通点として、まず思い浮かぶのが肉体・身体、いわゆる”フィジカル”的な強靭さです。
まず、ビッグマムに関しては「ホールケーキ・アイランド編」にて、その人知を超えた肉体の強さが描写されていました。

ビッグ・マムの強靭な肉体について語るベッジ
出典:ワンピース コミック 第85巻より

お茶会(サンジとプリンの結婚式)にて、麦わらの一味&ファイアタンク海賊団はママの暗殺を企てますが、ここで言及されるのが「鉄の風船」と形容されるママの強靭な肉体についてです。
ベッジ曰く、「街を壊す時も 船を沈める時も(中略)あの強靭な肉体にはカスリ傷一つつかねェ」とのこと。
事実、その後の戦闘描写でも、ママが傷ついたのはマザー・カルメルの写真立てを壊されて情緒不安定になったタイミングだけ。

膝にキズを負うビッグ・マム
出典:ワンピース コミック 第86巻より

ワンピースの世界に高い”攻撃力”を誇るキャラクターは数あれど、ここまで絶対的な”防御力(身体の強さ)”を描写されたキャラクターは初めて登場したような気がします。
外からの攻撃では殺すことができないという判断から、暗殺計画においてもシーザー作の「KXランチャー」という猛毒の武器が用いられました。
このように、ビッグマムが尋常ではないタフネスを持っているということが分かります。

次に、カイドウの身体について。
カイドウの異常なフィジカルについては、初登場シーンで既に描写されています。

カイドウの初登場シーン

1000度を超える拷問
40回の「死刑宣告」
時に首を吊られるも鎖はちぎれ 時に断頭台にかけられるもその刃は砕け…
くし刺しにするも槍は折れ
結果沈めた巨大監獄船の数は9隻…!!

出典:ワンピース コミック 第79巻より

このナレーションでも触れられている「断頭台にかけられる→刃が砕ける」「串刺しにされる→槍が折れる」という描写は
カイドウの体の強さ、言い換えれば防御力の高さ(皮膚の硬度?)が異常であるということの実証に他なりません。
前述の「鉄の風船」と表現されるビッグマムと共通していますね。

この2人について他の四皇勢と大きく異なるのが、この”異常な防御力の描写”ではないかと感じます。
白ひげ、赤髪のシャンクス、そして”黒ひげ”マーシャル・D・ティーチの3名に関しては、戦闘によって身体的外傷(ダメージ)を負うことがしっかりと描写されています。

白ひげ、赤髪、黒ひげの負傷シーン
出典:ワンピース コミック 第57巻,第1巻,第59巻より

海の覇者・四皇と呼ばれる存在でも、攻撃による被ダメージを完全に無効化することはできないですし、ぶっちゃけソレをしてしまうと本当に無敵の存在となってしまうので物語は進みません。
つまり、ビッグマムとカイドウはワンピースの世界全体で見ても異質な存在です。
しかし、それでもルフィ達は彼らを倒す必要があるので、両名は物語を進めていく上でも関所的な役割を担うキーマンとなりうる戦闘能力の持ち主ということになります。

“異質である”ということは、この2名には特別な出自があるということを想起させます。
加えて、両名の共通点はあまりにも多く描写されているように感じることから、「ビッグマムとカイドウは何か共通する過去によって異質な存在になっているのかも…?」という想像力が働きます。
冒頭で触れた「過去の因縁」「でかい借り」にも関ってくることなのでしょうか?

…もう少し、この2人の共通点を探っていきましょう!

ビッグマムとカイドウに共通する「巨体」

つづいて触れていきたいのが、ビッグマムとカイドウの身長・体の大きさの部分です。
ワンピースの世界、特に偉大なる航路には現実離れした大きさの人間が大勢いますが、この2名はその中でも際立って大きな体格を持っています。

ビッグ・マムとカイドウの巨体
出典:ワンピース コミック 第84巻, 第82巻より

ビッグマムについては公式で身長8m80cmと設定が発表されており(88巻 SBSより)、他の人物との対比を見る分にはカイドウもそれに近い身長があるのではないかと推定されます。

オーズやワダツミ、サンファン・ウルフといった「明らかにデカさ推しで造形している」キャラクターを除けば、この8m超えラインの体格を持っている登場人物は初めてです。
「世界最強の男」であった白ひげの身長ですら666センチで、ビッグ・マムより2m以上も小さいのです。

「身長の大きさ=戦闘力の高さ」でないのは、ワンピースのストーリーを追っている上でも明白ですが、それでもこの両名に関しては何か意図があって大きく描かれている気がしてなりません。
これまでの物語上の”ボスキャラクター”も大概は身長が高く、ルフィ一行よりも体格の大きな人物ばかりです。
安直な考え方ですが、もしかしたら、敵の体の大きさが物語の山場、すなわち「乗り越えなければならない壁の高さ」のメタファーになっているのかも…?
だとすれば、やはりビッグマムやカイドウとの本戦は物語の節目になる可能性が高そうです。

また、前項で話題に上がった両名に共通する出自が、この体の大きさにも影響しているかもしれません。
高身長のキャラクターが多い中でも、さらに異常な体格を持っている2人というのはスルーできません。

ますますビッグマムとカイドウの過去、そして正体が気になるところ。
この2人は一体どういった存在なのか?

…筆者は、ある有名漫画と照らし合わせて、この考察を述べさせていただきます!

ビッグマムとカイドウの正体を握るのは漫画「北斗の拳」?

実は、ビッグマムとカイドウを連想させるキャラクターが、原哲夫先生の有名漫画「北斗の拳」に登場するのです。
敵の中でもジャギやアミバ、はたまたハートといった有名どころではないのですが、覚えている人には強烈な印象を残したであろうこのキャラ。

その名はデビルリバース(通称:悪魔の化身)。
「ビレニィプリズン」という監獄に投獄されていた巨大な囚人で、最終判決は懲役200年という凶悪犯です。

デビルリバースの巨体
出典:北斗の拳 コミック 第3巻より

ビレニィプリズンに投獄されていた巨人。過去に700人殺害し、死刑を13回執行されても生き残った。…

参考:デビルリバース | 北斗の拳 OFFICIAL WEB SITE

さて、上記のデビルリバースのプロフィールに、何か見覚えはありませんか?
お気付きの方も多いかと思いますが、先ほども紹介した、カイドウが初登場した時のモノローグにとてもよく似ているのです!

1000度を超える拷問
40回の「死刑宣告」
時に首を吊られるも鎖はちぎれ 時に断頭台にかけられるもその刃は砕け…
くし刺しにするも槍は折れ
結果沈めた巨大監獄船の数は9隻…!!

出典:ワンピース コミック 第79巻より

大罪人として暴れ回る→何度もの死刑執行→死刑失敗…という流れが酷似していますよね。
カイドウというキャラクターの創造において、このデビルリバースの存在が影響している可能性は高いのではないでしょうか。
(何となく外見も似てますよね…ヒゲとか、上裸とか…)

そして、実はもう1点、デビルリバースと4皇の関係性を疑う大きなポイントがあります。

デビルリバースは、盗賊団の首領であるジャッカルという男に操られケンシロウを襲います。
ジャッカルがデビルリバースを操る際に使用するのが、「マザー」なるシスター風な年配女性の写真が入ったロケットです。

マザーの写真でデビルリバースを操るジャッカル
出典:北斗の拳 コミック 第3巻より

「どんなに悪事をかさねてもマザーはお前をかばってくれた」とデビルリバースをあやすジャッカル。
これも見覚えのある図式ですね…。そう、まさにビッグ・マムとマザー・カルメルの関係性にそっくりです!

マザー・カルメルと幼少期のリンリン
出典:ワンピース コミック 第86巻より

一度、ここまでに出ている共通点を整理してみましょう。

■北斗の拳のデビルリバースとカイドウおよびビッグ・マムとの共通点

  1. 異常なほどの巨躯と強靭な肉体(デビルリバース⇔カイドウ/ビッグマム)
  2. 大罪人として何度も処刑されるもことごとく生き延びる(デビルリバース⇔カイドウ)
  3. 「マザー」という女性に忠義し、写真を形見にしている(デビルリバース⇔ビッグ・マム)

これほどまでに共通点があると、尾田先生がカイドウとビッグ・マムのキャラ設定に、デビルリバースを参考にしたとしか思えなくなってきますよね…!
ということは、デビルリバースについてもう少し掘り下げていけば、カイドウとビッグ・マムの正体に近づけるかもしれません。
さらにこのトピックスを深掘りしていきましょう!

ビッグマムとカイドウは世界政府が生み出した生体兵器か?

前述したデビルリバースは、北斗の拳の本編ではケンシロウに倒され、あっけなく出番が終わってしまいます。
しかし、北斗の拳のスピンオフとして描かれた「蒼黒の餓狼 北斗の拳レイ外伝」にも少しだけ登場しており、某国で遺伝子操作によって生み出された生命体という設定が加えられています。
核戦争の前に、科学的に創造された生体兵器がデビルリバースの正体だったのですね。

仮に、尾田先生が「レイ外伝」を読んだ上でデビルリバースを2人の四皇のモデルにしたのだとしたら、カイドウとビッグ・マムの正体は政府の生体兵器であるかもしれません…!
突拍子も無い説のように思えますが、この「生体兵器」というキーワードは、実はONE PIECEの世界に馴染みの深いものだったりします。

生体兵器絡みとしてまず思いつくのは、パシフィスタのことです。
七武海であるバーソロミュー・くまをベースとして肉体改造を施し、世界政府の強大な戦力としてしまったわけですが…。
政府によって生み出された人工生命体かつ兵器、という図式がデビルリバースとぴったり符合します。
つまり、ワンピースの世界においても、「規格外な生体兵器とそれを生み出し操る政府」という構図が確実に存在しているのです。

パンクハザードの氷漬けにされた巨人たちの正体

そして、生体兵器においては忘れてはならないのがDr.ベガパンクの存在。
ベガパンクは「世界最大の頭脳」と称される、ワンピース世界で最も優秀な科学者であり、おそらく物語のキーマンでもあります。
彼やシーザー・クラウンが研究開発を行っていた島「パンクハザード」においては、いまだに回収されていない伏線として、「氷漬けにされた巨人たち」というシーンが登場しています。

パンクハザードの氷漬けの巨人たち
出典:ワンピース コミック 第67巻より

よく見ると、この氷漬けにされた巨人たちは囚人服を纏っていますね。
ここから推測するに、政府によって何かしらの実験台=モルモットにされた囚人たちの亡骸がパンクハザードに冷凍保存されているのではないでしょうか?

ロー曰く、「”人の巨大化”は何百年も前から世界政府に研究されてきた」とのこと。
この「巨大な囚人たち=政府の生体兵器の実験体(失敗)」なのであれば、ビッグ・マムやカイドウも、こういった非人道的な実験によって生み出された存在であるかもしれません。
ビッグ・マムに関しては既に幼少期が描写されていますが、齢5歳にして既に並の人間では考えられない体躯をしており、まさにパンクハザードでルフィ達が助けた子供たちと似た境遇にあった様子です。

パンクハザードの子どもたちとリンリンの巨体
出典:ワンピース コミック 第67巻, 第86巻より

5歳児のリンリンは既に大柄なので、この時点で政府に実験され、両親の元に戻されたという時系列かもしれません。
よくよく考えてみると、ビッグ・マムが望んだお菓子を食べられずに癇癪を起こす「食いわずらい」と、パンクハザードの子供たちが中毒作用のあるキャンディを求めて暴れる姿も酷似しています。
この説がますます興味深くなってきましたね…!

カイドウとオーズの特徴が政府の実験体の証?

人体の巨体化の研究について語るロー
出典:ワンピース コミック 第68巻より

そして、極めつけは前述したローが「人の巨大化」について語るこのシーン。
ローの背後にイメージ画像が描かれていますが、このツノやシルエットを見る限り、「世界政府の研究によって生み出された巨大な兵士」の一例としてオーズがいるということでしょう。
オーズは通常の巨人族よりも遥かに大きな体格をしているので、何かしら特殊な出自であることは間違いなさそうです。

そして、オーズといえばその特異な外見ですが、引き合いに出される存在としてカイドウがいます。
オーズとカイドウには鬼の様な角が共通しており、カイドウもオーズの一族なのではないか、という考察もよく見かけるほどです。
上記の説が当たっているのであれば、「世界政府の巨大兵士」=「オーズ」…その子孫?一族?…「カイドウ」という流れが連想されますね。
もしくは、頭のツノは実験兵士の証であり、カイドウもオーズ同様に世界政府の実験によって生み出された存在なのかもしれません。

まとめ:カイドウとビッグ・マムの正体と関係性についての推察

ここまでの内容をまとめると、大きく以下の2点となります。

  1. 様々な共通点から、カイドウとビッグ・マムは北斗の拳の生体兵器であるデビルリバースに着想を得ている(予想)
  2. 巨大化した子ども達やオーズの角など、カイドウとビッグ・マムが世界政府の実験体であったと推定する伏線がある

このまとめから、カイドウとビッグ・マムは共に、政府によって人体実験をされた披検体の同士であったのではないでしょうか?
そして、ここからは完全な憶測になってしまいますが…(さらに時系列も定かではありませんが…)
「でかい貸し」とは、ビッグ・マムがカイドウが政府の研究所から逃げる手助けをした、であったり、カイドウを研究施設から保護した等のエピソードなのではないでしょうか。

カイドウの年齢は明らかにされていませんが、劇中の描写からしてビッグ・マムのほうが年上の様子。
世界政府の人体実験は何百年と続けられているそうですから、ビッグ・マムが海賊として名乗りを上げた後、何かの拍子に自分と同様の境遇にあったカイドウを救い出した=大きな借りである、という図式が思い浮かびます。
この救出劇に大きく関わった人物が「ロックス」なる海賊、または当時のリンリンの所属先であったのが「ロックス海賊団」だった、というパターンもありそうです。

何はともあれ、デビルリバースの存在が2人の四皇のモデルとなったかもしれない、という発想は自分としても面白く感じます。
デビルリバースが生体兵器として描写された「蒼黒の餓狼 北斗の拳レイ外伝」は2009年7月まで連載されていたそうなので、ビッグ・マムやカイドウのキャラクター像が固まる前であった可能性も高いです。
まだまだ謎の多い両名ですが、この中で考察した説のどれか1つでも当たるといいですね。

以上、今回はビッグマムとカイドウの正体についての検証でした。