【考察】パシフィスタの強さとは~くまやフランキーとの関係性なども分析

2019年5月3日

ONE PIECEの海軍が誇るサイボーグ兵器「パシフィスタ」。
鋼鉄のボディに強力なレーザー光線、そして無慈悲な指令にも絶対服従する容赦の無さで、劇中で何度も戦局を左右してきました。
新世界編に突入してからの劇場版「FILM Z」においては、従来のPXシリーズのプロトタイプとされる「PX-Z」も登場し、今後ますます物語への絡みが増えてくると予想されます。

そこで、今回は人造人間パシフィスタについて徹底解剖!
パシフィスタの強さや、ベースとなった元王下七武海バーソロミュー・くまとの切っても切れない関係性についても迫りたいと思います。

それでは、まいりましょう!

パシフィスタとは

パシフィスタとはワンピースに登場する海軍の人間兵器の総称です。
パシフィスタについて、現状でわかっている部分のおさらいをしてみましょう。

名称
パシフィスタ, PX-*(型番号)
所属
海軍本部科学部隊
製作者
Dr.ベガパンク
改造ベース
バーソロミュー・くま
能力/武器
銃火器や刃物で傷つかない耐久性, レーザー光線, 肉弾の戦闘力, ニキュニキュの実の能力(くまを改造したPX-0のみ)
身長
689cm(くまと同サイズ)
製造コスト
一個体につき軍艦一隻分

パシフィスタの恐るべき戦闘能力は本編でも散々披露されてきました。
一個体ごとの戦闘力も凄まじいものを持ちながら、複数の個体が一斉に襲いかかることもあり、数々の海賊たちが返り討ちにされています。
次は、そんなパシフィスタの強さについても詳しく見ていきましょう。

パシフィスタの強さの3つのポイント

パシフィスタの強さを語るために、前述したパシフィスタの持つ3つの能力をまとめます。

  1. 耐久性
  2. レーザー光線
  3. 肉弾の戦闘力

三点、それぞれを詳しく分析していきましょう!

パシフィスタの強さ①耐久性

パシフィスタの秀でた能力の1つに、その尋常ならざる耐久力があります。
銃や刀による攻撃をもほぼ無効化する頑丈なボディは、パシフィスタの初登場時から麦わらの一味を大いに苦しめます。

ルフィ・ゾロ・サンジの攻撃を受けるパシフィスタ
出典:ワンピース コミック 第52巻より

麦わらの一味きっての攻撃力を誇るルフィ、ゾロ、サンジによる渾身の一撃を喰らっても倒せない敵がこれまでいたでしょうか…?
かつて、3人がアラバスタで同じようにコンビネーションを繰り出した際は、巨大なサンドラ大トカゲも一撃で屠っていましたし、いかにパシフィスタの耐久性が異常なのか伺えますね。
ルフィ・ゾロ・サンジの攻撃を受けるサンドラ大トカゲ
出典:ワンピース コミック 第18巻より

筆者は、パシフィスタの強靭なボディは、何か特殊な合金によるものなのではないかと考えています。
パシフィスタへの攻撃に際して、明らかにこれまでの敵と異なる描写がされていることが理由です。

パシフィスタに攻撃が通じないブルックとサンジ
出典:ワンピース コミック 第52巻より

例えば、ブルックが繰り出した「飛燕ボンナバン」はパシフィスタのボディを貫けずに止まり、サンジも鋼鉄を蹴った反作用で自身にダメージを負っています。
特に、サンジの蹴りが通用しない描写がされたのは、ヴェルゴやドフラミンゴといった武装色の覇気の達人たちと戦った時ぐらいなので、パシフィスタ達は生身で覇気を纏う並みの防御力を持っているのかもしれません。

ヴェルゴの武装色の覇気に苦戦するサンジ
出典:ワンピース コミック 第69巻より

仮に、攻撃力が優れていても防御が疎かであれば、一点突破で破ることは容易だと考えられます。
その点、やはりこの圧倒的な耐久性が、パシフィスタが恐ろしい兵器たる基盤を作っているのは間違いなさそうです。

パシフィスタの強さ②レーザー光線

パシフィスタの能力の代名詞と言えば、やはり次にあげる強力なレーザー光線でしょう。
先ほどの強靭な肉体同様に、レーザー光線に関してもDr.ベガパンクによって「再現」されたものであると、X・ドレークが推察しています。

パシフィスタについて驚愕するドレーク
出典:ワンピース コミック 第52巻より

ベガパンクはパシフィスタに対し、肉体はバーソロミュー・くま、レーザーは大将・黄猿のピカピカの実の能力を再現しているようです。
ドレークの言い分を聞いていると「くまって殴り合いしてもめちゃくちゃ硬くて、めちゃくちゃ強い肉体ってこと?」と気になって仕方ありませんが、ここは本筋に戻ってレーザーについて掘り下げてみましょう。

そもそもレーザー光線とかレーザービームってなんぞや、というお話ですが、簡単に言えば「特殊な装置によって増幅され放たれる光(電磁波)」のことを指します。
レーザーは例えば、バーコードをスキャンしたり、コンサート会場の舞台装置に使用されたりと、我々の割と身近な所で広く使われている技術です。

そして、このレーザーを用いた兵器と言えば、誰しもがSF映画に出てくるレーザーガンやビームサーベルを思い浮かべると思います。
光を増幅させた上で照射し、その際に発生する熱を持って対象物を融解・破壊する強力な武器というイメージがありますよね。

レーザーを用いた兵器というのは非常にロマン溢れるものですが、実は空想の世界だけに存在しているわけではなく、実際にアメリカ海軍では「XN-1 LaWS」というレーザー兵器システムを揚陸艦に搭載し始めています。
下記の動画を見てもらえばわかるのですが、恐ろしい破壊力と正確性を兼ね備えていることがわかります。

ただし、現実のレーザー兵器は光速で照射され的を精緻に射抜くことができるのが大きな利点なのですが、ワンピースの世界のレーザーはたびたび避けられているので性質が多少異なるのかもしれません…。

パシフィスタのレーザーを避けるルフィ
出典:ワンピース コミック 第61巻より

光速なハズなのに、そんな簡単に避けれてしまっていいの…?って感じですが、レーザーを避ける術が無いとパシフィスタや黄猿の無双状態になってしまいますし、漫画の描写としての妥協点なのかも。
ともかく、黄猿のオジキ由来の強力なレーザーを搭載した移動式砲台が、何対も存在するという事実が危険極まりないことに変わりがないのです!

パシフィスタの強さ③肉弾の戦闘力

パシフィスタの強さとして最後にあげるのが、肉弾戦における格闘能力です。
肉体の耐久性もさることながら、大きな体格も生かし、インファイトに持ち込んでも十分に闘える戦闘能力を持っています。

パシフィスタの肉弾戦闘能力に驚愕する麦わらの一味
出典:ワンピース コミック 第52巻より

この格闘能力に関しても、前項でドレークが発していた「バーソロミュー・くまの肉体を再現した」というベガパンクの研究に由来するのでしょうか?
だとすると、やはり改造のベースとなったくま自身も、素の戦闘力だけで相当な強さだった可能性が高いですね。

①耐久性と②レーザー光線、そして③の肉弾の戦闘力によって、近距離~遠距離まで戦場を選ばず圧倒できる能力が、パシフィスタの強さというわけです。

パシフィスタは何故くまの姿をしているのか考察

パシフィスタがくまの姿をしている理由に迫りたいと思いますが、これにはくまが世界政府と行ったある「取引」が関係しています。

ドフラミンゴが語るくまと世界政府の「取り引き」
出典:ワンピース コミック 第57巻より

頂上戦争でドフラミンゴが語ったところによれば、「くまは自ら人間兵器の実験体として志願することで世界政府と取引をした」そうなので、自らの身を差し出す代わりに政府から何かを得た、もしくは何かを守ったと考えられます。
「取り引き」という言葉だけでは窺い知れる事は少ないですが、双方にとって利が無ければ「取引」という言葉は適切ではないですよね。
もし、くまが一方的に身体を差し出していたのであれば、それは「脅迫」や「恐喝」と表現されるべきではないでしょうか。

上記を踏まえると、くまは世界政府から何かを得た or 何かを守ったと推測されますが、この「何か」を知る上ではバーソロミュー・くまという人物の立場を掘り下げる必要がありますよね。
くまというキャラクターはなかなかに特殊な人物で、下記のように多くの顔を持つ人物として描かれています。

■バーソロミュー・くまの3つの顔  

  1. 過去に「残虐の限りを尽くした海賊」であり、元王下七武海の一角「暴君くま」
  2. 革命軍の元幹部
  3. ソルベ王国の元国王

このように多数の面を持つくまですが、仮に世界政府と取引をし「何かを守った」とするのであれば、それは「ソルベ王国」なのではないでしょうか。
なぜなら、七武海は海賊として傑出した人物を政府がスカウトしており、自分の身体を差し出して就任するような立場ではありませんし、反乱軍は元々世界政府に楯突き続ける組織であるため、くまに守られる道理が無いからです。

詳細な考察は別途で行うとして推察すれば、革命軍と共に世界政府へ反旗を翻していたソルベ王国のトップであったくまが、やむを得ない事情によって、国を守るために世界政府へ自分を売ったという筋書きが思い浮かびます。
そして、そのやり取りこそがドフラミンゴの語る「取り引き」だったのではないかという推論です。

聖地マリージョアでくまを解放しようとする革命軍とボニー
出典:ワンピース コミック 第91巻より

聖地マリージョアにて、革命軍幹部が「くまは世界政府の加盟国国王だから”犠牲/見せしめ”にされた」と話していることからも、この過去の「取り引き」がソルベ王国絡みであることは間違い無さそうですね。
同場面で天竜人に虐げられるくまを見て憤るジュエリー・ボニーも、ソルベ王国民としてくまを解放するため活動していると思われます。

もちろん、この「取引」は互いに利が無ければ成立しませんから、戦闘兵器を作るうえで理想的な肉体をしていたくまの身体を得ることで、世界政府がソルベ王国から手を引いたという図式となります。
前述したパシフィスタの強さですが、ベースであるくまの優れた肉体的がDr.ベガパンクによって「再現」されているので、くまがいかに「人間兵器として改造するのに適した身体」であったのかが窺い知れますよね。

パシフィスタとフランキーの関係性

今後の展開でパシフィスタと切っても切れない関係性にあるのが、麦わらの一味のフランキー。
パシフィスタとフランキーはどちらも「改造人間」であり、「軍事兵器を内蔵した人間」という点で共通しています。

シャボンディ諸島で出会うくまとフランキー
出典:ワンピース コミック 第61巻より

2人の共通項は多くありますが、2年後にシャボンディ諸島で麦わらの一味が集結した際、フランキーだけがくまと会っていることも、二人が物語上で深く関係する描写であったと思われます。
この場面でくまが言ったセリフ「待っていた」は、そのまま読み解けば「2年のあいだ麦わらの一味が再集結し、船出するのを待っていた」という意味なのですが、深読みすると「くまがフランキーという人物を待っていた」という暗示が込められているように感じませんか?

もしこの深読みが正しいならば、「何故くまがフランキーを待っているのか?」という疑問が浮かびますよね。
それこそが、くまとフランキーの関係における最大のテーマなのではないかと筆者は考えます。

フランキーは2年の間、未来国「バルモジア」にてDr.ベガパンクの残した研究成果を学び、自身の技術を成長させていました。

未来国「バルモジア」でベガパンクの研究を見るフランキー
出典:ワンピース コミック 第61巻より

その結果、「フランキーラディカルビーム」等の新兵器を会得し、自分自身の改造・改良を行ってきました(ナミ曰く「珍プレーな体」)。
「フランキーラディカルビーム」はまさに、パシフィスタが繰り出すレーザーと同等の兵器ですよね。
つまり、フランキーは自身の身体をパシフィスタに類似するものに改造する技術を知っているということなんです。

前述したくまの過去において、くまは人格を奪われ人間兵器と化してしまったわけですが、世界政府からくまを「解放」した後に来る展開として、くまの「人格の再生」が描かれないことは無いでしょう。
この「くまの人格の再生」を担う人物こそが、ベガパンクの技術を盗んだフランキーである可能性が高いわけです!

フランキーはくまから「ニキュニキュの実」の能力を受け継ぐ?

前述した「くまの人格の再生」の過程で、フランキーはくまから「ニキュニキュの実」の能力を受け継ぐ可能性が高いと思われます。
その仮説の裏づけとして、コミックス59巻のSBSで読者から寄せられた以下の質問と、尾田先生のやり取りがあります。

麦わら海賊団の能力者の食べた実を、数で表すと1~10の数字になるんです!!
ルフィ→ゴムゴム(5.6.5.6) チョッパー→ヒトヒト(1.10.1.10) ロビン→ハナハナ(8.7.8.7) ブルック→ヨミヨミ(4.3.4.3)と、でも(2.9)がないという事は、ニキュニキュの実(2.9.2.9)を食べた、バーソロミュー・くまが仲間になるという事ですか?

出典:ワンピース コミック 第59巻 SBSより

この読者からの質問に対し、尾田先生は「驚いたけど、ノーコメント」と返しており、かなり確信をついた質問だったことが伺えます。
同時に、この質問を掲載したということは「かなり鋭い考察だけど、真実までは至っていないから載せよう」という編集部とのやり取りもあったかと想定されます。

これらの状況証拠から、「くまが仲間になるわけではないけど、麦わらの一味の能力が1~10までの数字に置き換えられることは事実で、2と9は”ニキュニキュ”の能力なのは合ってるよ」という解釈ができますね…!
となれば、くまと最も関連性の深い麦わらのクルーで、かつ無能力者な人物がニキュニキュの能力を受け継ぐ…という図式になりますから、フランキーがいずれくまから能力を貰い受ける未来が伏線として張られているわけです!
このくまからフランキーへ能力が譲渡される瞬間こそ、くまの人格が取り戻されたタイミングになるのではないでしょうか。

改良版「PX-Z」と新型パシフィスタの強さ

映画「ONE PIECE FILM Z」には「PX-Z」という改良版のパシフィスタが登場しました。
PX-Zはゼファー率いるNEO海軍所属の人間兵器で、その見た目から「白くま」なんて呼ばれ方もされています。

NEO海軍のPX-Z
出典:映画『ONE PIECE FILM Z ワンピース フィルム ゼット』特別映像1より

正規海軍の持つパシフィスタよりもメカメカしい見た目をしていますね。
見た目はかなり異なりますが、「正規のパシフィスタ」と比較して、それ以外の差異は劇中では見受けられませんでした。

ただ、ここで重要なのが「パシフィスタに改良・バージョンアップの余地がある」という点です。
麦わらの一味がシャボンディ諸島に再集結した際、ルフィやゾロ・サンジ達によって一撃でパシフィスタが破壊されていましたが、戦桃丸曰く、このパシフィスタは「試作品(プロトタイプ)」なんだそうです。

シャボンディ諸島で通信を行う戦桃丸
出典:ワンピース コミック 第61巻より

すなわち、2年前は試作段階だったパシフィスタも、2年後にはさらにバージョンアップした個体が存在しているということになります。
まだ本編には登場していませんが、その強さは計り知れないものがありますよね!

個人的な予想としては、前述したパシフィスタの強さ3点が、それぞれ強化されているのではないかと想像しています。
特に、「黄猿のレーザー」は更に黄猿の能力を踏襲したものになっている可能性があります。
黄猿の能力=ピカピカの実の能力ですから、新型パシフィスタが黄猿のような「瞬間移動」や「身体を光に変化して物理攻撃を無効化する」といった力まで持っているとしたら、いよいよ止めようが無いバケモノです…!

パシフィスタについてのまとめと今後の登場予想

以上、パシフィスタの強さについての分析や、くまとの関係性などについて考察してきたまとめです。

  • パシフィスタの強さの秘訣は ①耐久性 ②レーザー光線 ③肉弾の戦闘力 の3点
  • パシフィスタがくまの姿なのはソルベ王国を巡る世界政府との「取り引き」が関係している
  • パシフィスタとなったくまを元に戻すのはフランキーの役目
  • 新世界編ではさらに改良された新型パシフィスタが登場する予定

新型パシフィスタの登場については、頂上戦争同様、これから起こる大きな戦争がメインの舞台となる可能性が高そうです。
四皇をそれぞれ撃破した後は、ルフィ達の最終目標であるグランドライン制覇と「ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)」を手に入れるストーリーが描かれる上で、必ず海軍や世界政府とのラストバトルが待っているでしょう。
ワンピースの物語の最終局面においても、パシフィスタは大きく戦局を左右する存在になりそうですよね!

以上、海軍の人間兵器パシフィスタに関するお話でした。